昔、ある場所に、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。おじいさんは川に行って、おばあさんが山に行って、予定を間違えたことに二人同時に気づいて
ぼんやりしている間に、川上から桃が流れてきていて、それはそのまま海まで流れていきました。誰の目にも留まらぬままどろどろに腐りきった頃、桃はある島
に漂着しました。その島には鬼がうようよ暮らしていました。桃から這い出てきた一匹の毒虫を、雉が啄ばんで食べました。その雉を猿が食べました。その猿を
犬が食べました。その犬を鬼が食べました。その鬼をおじいさんが食べました。そのおじいさんをおばあさんが食べました。おばあさんはお腹を壊して厠の中で
苦しんでいると、永遠が怖くなってきて泣きました。